統合失調症の病型及びその障がいと症状のとらえ方

精神医学
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【ポイント】

  • 記載ボリュームの限られたなかで設問についての解説ができる
  • 読み手に分かりやすく要領よくまとめられる

レポート文例

統合失調症の病型は三つに大別される。青年期に発症し緩徐に進行する、自閉傾向の強い予後不良な破瓜型。急激に発症するが回復が早く、ほぼ寛解に至るが周期的な繰り返しが起こりやすい、緊張病症候群による緊張型。発症年齢が遅く被害妄想中心の妄想型、これについては陰性症状が軽度に留まるため、ある程度の社会生活を維持することが可能であることが多い。また、意欲低下・自閉など陰性症状が中心で人格の障害の程度が破瓜型より軽度なため異常な行動が見られず、病気と気付かれない単純型を加えることもある。ただし必ずしもすべての症例が該当するものではなく、複数の病気の集合体と考えるべきである。

統合失調症は多くの要素を障害する。まず、感情の鈍麻・不調和などの感情障害、支離滅裂な言葉のサラダ状態の連合弛緩・妄想など思考の障害、意欲減退、緊張病性混迷、緊張病性興奮などの意欲行動の障害、意識に関する特異な思考がみられる自我意識の障害などの精神症状が出現する。

スキゾフレニア診断法の陽性症状(表現的)陰性症状(欠損的)認知症状(社会的)という概念によると、陽性症状とは現実には起こっていないような考えや信念・感覚などの幻覚・妄想を指し、陰性症状には気力がなくやる気が欠落した状態・自分の外見をほとんど気にしないなどの他人に説明しにくい症状がある。認知症状とは学習、集中力に問題がある場合を指し、読書・テレビに没頭できない・目的の場所にはどう行けば良いかなどの情報習得の困難・他人の話に集中しにくい・感情を説明するのに考えをまとめられないなどがある。

だから今眠いんだってば・・

ドパミン過剰が陽性症状を促進し、欠乏すると陰性症状を引き起こすという説があるが、その場合陽性と陰性の二種の症状が同一患者に混在する理由が説明できない。それに対し、ドパミン拮抗作用によって反応する症状の成分を陽性症状とし、一方向精神薬の効かない陰性症状は、脳の組織構造の変化と関連し、より悪い予後の転帰と関係するという、Crowの仮説は興味深いといえる。

統合失調症に罹患すると上記のような様々な症状が見られ、周りの情報を脳が受けとって理解する過程が影響をうける。それにより考えをまとめたり、友人と良好な関係を保つことが困難になるのだが、意識と知的能力は保たれているのが一般的である。つまりこれらの症状を自分で認識することが可能であると考えられる。

病気であることを信じない。あるいは被害者意識で諦めたり敗北感・失望・怒り・発病の原因にとらわれて自他を責めるなどの一連の情動反応を経験する傾向が強く、早期治療のチャンスを逃す要因となることが多い。だがある意味、それらの反応は重い病気に直面した人間の正常な反応と理解すべきかもしれない。

薬物療法や援助により、自分の状態を正しく認識することが症状緩和の第一歩であり、それを可能にするワーカビリティが存続すべきであり、我々の課題もそこにあると考える。

【引用・参考文献】