プロフィール

民間企業を10年務めたのち、資格をもとに活動できる福祉業界に転職しました。2000年からは介護保険制度が発足したため、介護支援専門員の資格を取得し、ケアマネジャーとしての勤務を始めました。支援業務に携わる中で、どうしても精神領域の仕事にかかわりたくなり、当時多忙を極めていましたが、精神保健福祉士の通信学部を受講することを決心しました。


福祉の仕事をしながら定期のスクーリングの時間を確保するのが大変だったことを記憶しています。
福祉業界の万年人手不足のなか、休みの届が出せなくて夜勤明けや寝ないで受講したこともありました。
若いからできたことでしょうが、仕事をしながら資格を取ることの大変さを痛感したものです。
とくに福祉の仕事には切れ目がないですからね。

法制度では介護保険と保健福祉の分野はすみわけされており、ひとつの身分で両者に関わる難しさを感じていました。かといって長く継続している高齢者支援も捨てがたく、精神保健福祉の分野でも病院や役所勤務ではなく日常の生活に密着した支援をしていきたいと考えていました。


そこで自分の理想をかなえるには、自分で起業するしかないと考え2003年に、高齢者と精神障害者の方たちの在宅生活を基盤としたサービス事業所を設立いたしました。

以来、通所サービス、訪問介護サービス、住宅型のホームなど徐々に在宅のための複合施設を運営し、私は主に支援事業所を通して介護支援専門員(ケアマネジャー)及び精神保健福祉士の知識を生かし相談支援専門員として、高齢者及び精神障がい者の方々の相談業務に携わってまいりました。
並行してその間に、社内外に関わらず、同じ志を持つ若い方への教育や講習などを定期に行い、熱い思いで多くの方々が巣立っていかれたことは大変喜ばしく思っています。

ながく相談業務に携わってきて感じたことは、これまでなんと尊い出会いと時間にめぐまれてきたかということ。同時に心身ともに充実して良質な仕事ができる期間は意外と短いということです。

精神保健福祉士の皆さんは、多くは病院や関係施設に努める方の割合が多いのですが、在宅から精神障がい者の方を支えていくのも大切な役割だと強く感じています。
ハードサービスとソフトサービスが協働できてこそ彼らの生きやすい暮らしが実現するのだと確信しています。

これまでのたくさんのご縁に感謝しながら2022年に第一線を退きましたが、後を引き継いでくださる方たちにアドバイスや福祉に関わるための心構えなどの自著本を提供し、精神的な援助のための面談を行うなど、いつまでもエールを送り続けたいと思っています。