援助におけるケアマネジメントのプロセスと留意点について

精神保健援助技術各論
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精神保健福祉援助技術各論

「ポイント」

  • ケアマネジメントの目的であるノーマライゼーションとリカバリーの理解
  • 精神保健領域でのリカバリーの意味を理解する
    病気や障害から回復した結果ではなく、その「過程」を重視することを押さえる
  • ケアマネジメントの5つのモデルを理解する

レポート文例

アマネジメントとは、ノーマライゼーションとリカバリーを目的とし、福祉・医療・保健・就労・教育などの分野のなかから様々なサービスを調整し、クライエントの生活ニーズと地域にある社会資源を適切に結びつけて支援する技術である。


ケアマネジメントは以下に記すようにいくつものプロセスを経て実施される。

①インテーク(受理面談)
精神医療や保健・福祉サービスを受けている人で、地域社会において社会生活を可能にし、さらに生活の質を高めるためにケアマネジメントを活用したいと考えている人が対象となる。

地域社会で自立した生活をおくるために、必要に応じて受けられるケアサービスが基本となり、ケアマネジメントの機関がどこにありどのようなサービスをしてくれるかについて、クライエント本人や関係機関に情報提供されていることが大切である。
そのためにはネットワークシステム作りが必要となる。また、クライエントに対して拒否権を含めた選択権があることや一緒に目標設定をしていくこと、守秘義務の確認などの説明が必須である。

②アセスメント(クライエントの生活全般にわたる状況把握によるニーズの把握)
ケアの目標設定と計画的実施につなげるために、クライエントが訴えた潜在化、あるいは顕在化しニーズを的確に把握することである。
また、個別性や主体性を引き出すために、クライエントに何が出来るのかに視点をおき、「精神障害者ケアガイドライン」に基づいて共に問題点を理解していくことが大切である。

              眠いニャ~ 

③ケアプランの作成(援助計画の目標を設定する)
クライエントと一緒に目標設定を行う。その際、ノーマライゼーションに基づいた具体的に分かりやすく、現実性のある目標の設定が大事となる。またクライエント自身が自己管理を行い、地域生活を土台に自分たちのニーズに基づいて自分たちで目標設定していく力と権限を有することを確認できる方向性を持つものでなくてはならない。ここに結果でなく過程を重視するリカバリーのケアマネジメントの目的が生きてくる。
同時に社会資源の持つ機能・役割・限界について理解を深めてもらうことも大切である。
様々なサービス提供機関の担当者とのケア会議を行い、支援計画の内容を協議を経て決定し、クライエントとの契約関係の確認を文書で行う必要がある。

➃ケアプランの実施(計画的実施)
ケア計画に基づいて自立した社会生活をおくれるよう実施するために、利用サービスは公的機関だけでなく、地域のインフォーマルな資源を利用することを念頭に置く必要がある。

⑤実施状況のモニタリング(評価及びフォローアップ)
ニーズに即してサービスが適切に提供され続けているかを長期的に観察し評価を行うことがモニタリングであり、継続的に評価することでフォローアップすることが可能になる。
この過程で問題が起きた場合には、再びアセスメントに戻り再評価がなされることになる。その際はクライエントと一緒に相互評価していくことが大切となる。
目的が達成され終了になるまではこの過程を繰り返していくのがケアマネジメントである。

以上のように、利用サービスがフォーマルサービスだけでない場合に、地域のボランティア、家族会などのインフォーマルなサポートが、個々ばらばらでなく包括的に提供されることが望ましい。
また不足している地域の社会資源を開発・改善し質的及び量的確保を図るためのソーシャルアクションを必要とするものである。

クライエント主導型のケアマネジメントプロセスでは、精神障害者が自らのエンパワメントを高め、社会の公正性を守るため、精神保健福祉士には権利擁護を中心としたサポートや介入などのアドボカシーの機能や役割が求められるものである。

【引用・参考文献】