精神保健福祉士を取り巻く環境変化に伴い、精神保健福祉士が果たす役割は、いまや精神障害者に対する援助にとどまらず、精神の障がいにより日常生活や社会生活に支援を要する人や、メンタルヘルスの課題を抱える人への援助と拡大したことに付随し、精神保健福祉士の配置・就労状況が大きく変化してきました。
医療や福祉及び保健現場、また教育、司法や産業・労働の場へと精神保健福祉士を必要とされる場がひろがっています。
それを受けて、試験内容も現状に即したものと変化しています。
出題傾向の把握と過去問の活かし方
2024年度の第27回国家試験(2025年2月実施予定)から、カリキュラムが変わり、出題される内容が変更になりますので十分に把握をしてください。
総得点が6割以上であっても、得点がない科目がひとつでもあると、不合格になることは従来通りなので注意が必要です。
対策としては、過去問から出題傾向を読み解き、模擬問題で応用力を付ける基本がいちばん大切です。
過去問の活かし方
①苦手分野を知り、攻略する
②問題の傾向をつかむ
③試験のペース配分を身につける
また、機会があれば対策講座や模擬試験に参加し、試験現場に慣れることも自信となるでしょう。
変更内容から精神保健福祉士に求められているものを知る
創設される科目:
・精神保健福祉の原理
・刑事司法と福祉
・地域福祉と包括的支援体制
再構築される科目:
・低所得者に対する支援と生活保護制度
・保健医療サービス
いずれも、精神障害者の保健及び福祉に関する科目、基礎科目をしっかり学習することが、求められています。
また、出題基準の中に「出題基準公表後の法改正による制度の重大な変更等、出題基準にない事項であっても、精神保健福祉士として習得すべき事項については、出題することができる」とありますので注意が必要です。
学習にはゆとりを持ち、精神保健福祉士として求められる支援の範囲を勘案し、学習範囲を広げておくことが賢明でしょう。
これまでの試験内容と出題傾向も変更が予想されるため、合格率が変動する可能性がありますが、精神保健福祉士の基本を確実に押さておけばそれほど心配することはないでしょう。
地域包括ケアシステムを含め、社会の流れの把握につとめ、応用の理解の範囲を広げておきましょう。
令和6年度(第27回試験)から適用される試験科目
(専門科目) ① 精神医学と精神医療 ② 現代の精神保健の課題と支援 ③ 精神保健福祉の原理 ④ ソーシャルワークの理論と方法(専門) ⑤ 精神障害とリハビリテーション論 ⑥ 精神保健福祉制度論
(共通科目) ① 医学概論 ② 心理学と心理的支援 ③ 社会学と社会システム ④ 社会福祉の原理と政策 ⑤ 社会保障 ⑥ 権利擁護を支える法制度 ⑦ 地域福祉と包括的支援体制 ⑧ 障害者福祉 ⑨ 刑事司法と福祉 ⑩ ソーシャルワークの基盤と専門職 ⑪ ソーシャルワークの理論と方法 ⑫ 社会福祉調査の基礎
今後有益な内容については随時追記します。
出典 公益財団法人 社会福祉振興・試験センター
厚労省